「群の西の方に温泉の出る巌あり…」遡ること1300年、「肥前風土記」にも登場した九州の銘湯。
街の栄華を象徴する武雄温泉桜門のすぐ側にホテル春慶屋はある。
上質な湯、美食、そしてこの宿で過ごすひと時に心惹かれ初めて訪れた人の多くが再び訪れるという。

数ある贅の中でも佐賀牛の会席が格別。
赤身の中に花開く霜降りをサッと炙ると、得も言えぬ香ばしさが鼻孔をくすぐる。
一噛みすると溢れんばかりに肉汁が染み出し、途端に広がる甘さとコク。香り、味、食感と肉の旨味の全てが揃う至高の味わいに心ほぐされることだろう。

食後は、武雄の街を一望できる展望露天風呂へ。
夜景の上に輝く月を見上げるも良し、朝は日の出に染まる街を眺めるも良し。入るたびに違った顔で愉しませてくれる。

慌ただしい日々の喧騒に戻った後もふとあの料理、あの湯、あの景色と旅情が心に蘇る、そんな忘れられない宿になるだろう。